投資先、出資先とのトラブル未然防止と発生後の対処

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信用調査

1.投資や出資のトラブル例
2.トラブル未然防止のための調査
3.トラブルが発生後した場合の対処

M&Aやスタートアップへの投資、土地取引など、企業の投資や出資は年々増加傾向にあります。

取引の増加に伴いトラブルも増加しています。特に、契約締結後に発覚する事案が増えていますので、今回は被害の例や契約前の調査、発生時の対処などについてお話しさせていただきます。

1.投資や出資のトラブル例

被害の代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

・ 反社会的勢力との関係、関与が発覚し、開発計画がとん挫したケース
・ 出資資金の横領や流用により、出資した資金が消失したケース
・ 多額の資金使途不明金として流出し、経営破綻に追い込まれたケース
・ 出資先と関係先(下請け企業等)との癒着が恒常化し、出資先の経営健全化のための関係遮断ができないケース
・ 投資、出資の話を持ち掛けてきた人物(企業)の調査が不十分で、計画倒産や実体の不明企業への投資など投資詐欺に遭ったケース
・ 投資先に対する調査が不十分で、安易に海外事業への投資話に乗り、海外進出をした結果、投資金の回収が困難になったり、加えて多額の撤退資金が必要となったケース

2.トラブル未然防止のための調査

投資先企業や取引のリスクを調査することをDD(デューデリジェンス)といい、Due(然るべき)Diligence(努力)という意味で、こういった取引を行う際にDDは必須とされています。

(1) 自社で調査を行う方法と課題

法務局で閲覧できる商業登記簿謄本や不動産登記簿謄本を取得して事業実態や継続性の確認ができます。また、インターネット上で公開されている役員や決算などの情報と照らし合わせることも重要です。詐欺企業の特徴として有名なものには、役員全員が交代している。所在地が転々としている。などがあります。

金融商品を仲介する事業者が投資や出資を持ちかけてきた場合には、登録されている業者かどうかを国のホームページで確認することができます。

一方で、自社で調査を行う場合には、重要な確認事項を深堀できなかったり、調査項目に漏れがあったり、主観的な見方から審査が甘くなったりと、重要な点を見落としてしまう危険性があることと、個人情報の扱いや社会保険などの専門知識が求められる調査が困難なことなどが課題と言えます。

(2) 専門調査会社に調査を依頼するメリット

専門調査会社に依頼するメリットは、第三者視点で専門知識による精度の高い調査を効率良く行えることが最大のメリットです。また、専門調査会社は独自のデータベースを持っています。反社チェックなどに加え企業情報の所持または、情報の入手経路を確保しており、中には海外企業の情報も持っている調査会社もあります。

3.トラブルが発生した場合の対処

契約前にしっかりDDを行い、未然にトラブルを防止できれば一番よいのですが、万一の場合に備えた対策をしておくことで、被害を最小限で抑えられるかも知れません。

(1) 社内ルールや体制の整備

トラブル防止のためのチェック機能として社内ルールを整備し、報告管理体制を充実させるなど適切なリスクマネジメントを行っていれば、トラブルの早期発見や発生時の適切な対応が行え、被害の最小限化と2次被害などのリスクの低減にもつながります。

リスクマネジメントは一朝一夕に行えるものではなく、日ごろから実施し定着させることが重要です。

(2) 回収等の後処理

相手先企業の倒産や取引相手の音信不通などで接触・折衝の手立てがない場合などは、専門調査会社に相談してみることをお勧めします。関係者の居場所調査はもちろん、対象者の隠蔽資産(動産、不動産)なども調査し、現在の状況から資金回収の見込みや処理判断のアドバイスをもらえる可能性があります。

何年も放置されている案件でも対処できた事例もありますので、相談してみる価値はあると思います。

 

株式会社TMRでは投資先、出資先とのトラブル未然防止と発生後の解決を講じるための各種調査業務を請け負っています。弊社(株式会社TMR)で実施している調査では、問題解決に向けた徹底した裏付け調査により、発生後の解決策まで弁護士との協業を含んだトータルソリューションとしてお役に立つサービスを提供しています。より深堀した調査結果により、付随した情報のご提供も行っております。