新型コロナウイルス感染拡大により、重要性が増す与信管理・信用調査

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リスクマネジメント信用調査

1.新型コロナウイルス感染拡大の影響による倒産の動向
(1)高いペースで続く倒産の動向
(2)業種別にみる倒産動向の推移
2.コロナ禍における与信管理・信用調査の必要性
(1)与信管理・信用調査についての経営者の意識の変化
(2)コロナ禍でより重要になる与信管理・信用調査とは
(3)事業継続支援金の返済などの借入返済
3.与信管理・信用調査の方法と外部専門機関の活用について
(1)与信管理・信用調査を行うための主な手法
(2)与信管理・信用調査における外部の調査専門会社の活用

 

1.新型コロナウイルス感染拡大の影響による倒産の動向

(1)高いペースで続く倒産の動向

新型コロナウイルスの感染拡大から1年半以上が経過しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた倒産件数は2021年9月、ついに2,000件を突破しました。2020年2月に新型コロナウイルス感染拡大の影響による第1号の倒産が判明して以降、約1年後の2021年2月には1,000件、同年5月に1,500件に達し、その後も月間100件を超える高いペースが続いています。

(2)業種別にみる倒産動向の推移

倒産の合計件数2,000件のうち、業種別にみると、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多で366件に及びます。飲食業の新型コロナの影響による倒産はさらに増加する可能性が強まっています。

次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が193件、小売店の休業が影響したアパレル関連企業は168件に上ります。この3つの業種で全体の3割を占めています。

この他、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル、旅館の宿泊業が91件、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業も同件数の91件と、いずれも上位を占めています。

 

2.コロナ禍における与信管理・信用調査の必要性

(1)与信管理・信用調査についての経営者の意識の変化

企業経営者を対象としたある調査によれば、コロナ禍における新規・既存顧客との取引において「取引先の与信管理や信用調査が重要である」と考える経営層は9割以上を占めました。理由として「コロナ禍では業績が悪化しやすいため」「コロナ禍では取引先の倒産リスクが高まるため」といった回答が上位を占めました。

さらに、コロナ禍において、既存の取引先の倒産を察知できない可能性はあると答えた経営者は8割に上りました。コロナ禍における与信管理・信用調査はこれまで以上に緻密でリアルタイムに行わなくてはならない経営環境におかれているという危機意識を有しているが明らかになりました。

(2)コロナ禍でより重要になる与信管理・信用調査とは

「与信管理」とは、特定の法人の商取引における信用状況を調査して管理することです。信用できる取引先であるかを調べる調査が主たる取り組みであるため「信用調査」とも呼ばれます。

例えば、取引先に商品を先に渡し、代金は後払いとする場合、きちんと代金の回収を行えるか、つまりは信用できる取引先であるかは重要です。企業間の取引は掛け取引が主流で、代金の決済を、商品の受け渡し後の約束した期日に行うケースは少なくありません。売掛債権の発生による代金の未回収を起こさないためにも、信用できる取引先であるかの調査は重要です。前述の調査でも、コロナ禍における新規顧客や既存顧客との取引において、リスクヘッジのために与信管理・信用調査を利用する予定である、と答えた経営者は実に7割以上を占め、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、与信管理・信用調査を行うことの重要性は非常に高まっていると言えます。

(3)事業継続支援金の返済などの借入返済

コロナ禍の中小企業を支援するための施策として、多くの地方自治体で事業継続支援金などの支援策が実施されました。これらの支援策が開始されてから約1年が経過しており、支援金などの返済が始まってきています。こういった情報を把握することは難しく、取引時の与信管理に加味されていないことが多くみられます。実は返済の負担が重くのしかかっおり、内情としては見た目以上に厳しいような場合も多々あるため、リアルタイムに与信管理、信用調査を行う必要性は今後より高まると言えます。

 

3.与信管理・信用調査の方法と外部専門機関の活用について

(1)与信管理・信用調査を行うための主な手法

与信管理・信用調査を行うための主な方法は大きく3つ挙げられます。本格的な与信管理を行う前に自社で調査を行います。「社内調査」「内部調査」と呼ばれる方法です。すでに取引をしたことがある先であれば、取引先の情報は社内にもあります。ただし、過去のデータだけでは情報が限定的です。

次に、インターネットを利用した調査を行います。無料で見られるインターネットの利用だけでは十分に信用が確保できなかった場合には、有料情報を購入することも必要です。最後に、直接企業に訪問して調査を行います。調査の状況に応じて、取引先だけではなく外部の調査専門会社への依頼を行うことも非常に有効な方法です。

(2)与信管理・信用調査における外部の調査専門会社の活用

これまで見たように、コロナ禍においては、既存の取引先の倒産を察知できない恐れが高まる傾向にあります。より緻密でリアルタイムに与信管理・信用調査を行わなくてはならない環境下にあると言えます。

企業内の与信管理・信用調査をしっかりサポートし、企業の成長を確かなものにする外部の調査専門会社の活用が非常に有効に作用し、リスクヘッジを図るために最良な方法のひとつです。

弊社(株式会社TMR)で実施している与信管理のための調査は、定性分析、経営コンサルテーションまで含んだトータルソリューションとしてお役に立つサービスを提供しています。単なる定量的・形式的な調査データの提供にとどまらず、オフィシャルな情報だけではわからない、定性的・実質的な内容に踏み込んだ情報提供も行っています。直接取引する企業の意思決定の傾向や同業他社が持つ経営上の泣きどころといった踏み込んだ情報を外部の調査専門機関を通して事前に把握しておくことはとても有効です。

こうした取り組みにより、新型コロナウイルス感染拡大の影響にといった経済環境の激変する環境下にあっても、迅速かつ適切な与信管理・信用調査が可能となります。