「反社チェックは大手企業がやるもの」というイメージは、すでに過去のものと言えます。スタートアップの時点から意識を高く持ち、対策を検討しはじめるのが重要です。今回は、実際に起こった「反社をきっかけとする悲劇的な事件」を2つご紹介します。

反社とのつながり疑惑で上場廃止|株式会社オプトロム

CD-ROMやDVDなどの光ディスク用スタンパーを製造・販売していた株式会社オプトロムは、2006年10月に名古屋証券取引所セントレックス市場へ上場。縮小するCD・DVD市場の脱却を目指すように、2006年からは環境エネルギー事業も開始していました。

しかし、2015年10月に上場廃止。この理由は、割当予定の企業に反社会的勢力の疑いがいるという指摘を外部から受けていながらも、そのことを名古屋証券取引所へ報告しなかったことが理由です。なお、2017年には金融庁が9,900万円あまりの課徴金支払命令が出したこともニュースとして報じられています。

横領金のグレーな行き先で株価下落|AppBank株式会社

スマートフォンアプリのレビューや、ケースなどのアクセサリー開発・販売で台頭したAppBank株式会社。2015年には東京証券取引所マザーズにも上場しましたが、同年12月に、経理部門の責任者でもあった元役員による業務上横領疑惑が発覚。それだけでも大問題ですが、横領金の流出先として反社が噂として浮上します。

同社は反社との関係を完全否定し、実際に事実関係も明らかにはなりませんでした。しかし、こうしたニュースが報じられたことで同社の株価は20%の下落。大きな痛手を負ったことは間違いありません。

反社に厳しい目が向く今だからこそ厳格なチェックが必要

今回ご紹介した2社はいずれも上場企業です。コンプライアンスとして反社チェックにも力を入れていたと考えられますが、結果として反社疑惑が事業に大ダメージを与えています。

2020年の現在、数年前から比べても反社追放の勢いは増すばかりです。株主や社員、取引先に反社疑惑のある人物がいるだけで、調達やエグジットができなくなる状況と言っても過言ではないでしょう。

まとめ

上場を目指すスタートアップにとって、反社チェックはもう少し自社の格が上がってから、というイメージがあるかもしれません。しかし、今回ご紹介したとおり、自分たちがどれだけ気をつけたとしても、どこに反社が潜んでいるかは分からないものです。まだ規模が小さいうちから反社チェックをはじめ、自社のコンプライアンスを整えておくことは、これからの会社経営において必須と言えるでしょう。