フィルタリングだけではない!貸すための入居審査

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信用調査

 

入居審査を厳しくすることはリスクヘッジになるものの、入居者確保を困難にする原因にもなりえます。大切なのは、入居審査を単なるフィルタリングとして考えるのではなく、攻めの経営のためのツールとして捉えることです。

入居審査の多くの目的はリスクの回避

入居審査では、入居希望者が滞りなく家賃を毎月抑えてくれるかをチェックするために行われます。滞納や踏み倒しなどは賃貸経営においてもっとも回避すべきリスク。そこで、入居希望者の属性(職業や年齢など)を総合的に判断する必要があるのです。

加えて、入居希望者のより詳しい人間性について調査をしなくてはならないケースも存在します。これはほかの入居者様とのトラブルを避けたり、反社や半グレといった人物を入居させないためです。とくに高級マンションやテナントなどの場合には、一般的な賃貸物件よりも厳しい入居審査が必要と言えるでしょう。

縮小化が予想される住宅市場

厳しい入居審査は賃貸経営リスクの回避に重要ですが、それによって入居者が決まりにくくなるという懸念もあります。とくに近年は少子高齢化や未婚化などにより住宅市場が縮小するとの予想も。2020年以降は、いよいよ日本の人口自体が減少に転ずるとされています。

ただし、これが必ずしも賃貸需要の低下を表すわけではありません。実際には、マイホームの購入需要の低下や地域差など、さまざまな要因が複雑に入り組みながら賃貸需要は上下します。とは言え、ライバルになり得る新築物件の存在などを考えると、なんの戦略もなしに賃貸経営を続けるのは危険とも言えるでしょう。

攻めの入居審査が賃貸収入を安定させることも

企業には「与信審査」と呼ばれるチェックがあります。これは取引先の与信を確認するためのものです。しかし、その目的は「与信を厳しく審査してリスクヘッジをする」だけではなく、「リスクをコントロールすることで、積極的に取引先を広げる」ことにあります。

入居審査にもこれと同じことが言えるでしょう。単に不安要素だけを集めるのではなく、しっかりと入居希望者の審査を行うことで、支払い能力などを見極めながらリスクをコントロールすることに意味があります。こうした“攻め”の入居審査を行うことが、今後の賃貸収入安定の鍵になるはずです。

まとめ

入居審査はフィルタリングとしての役割ばかりに目が行きがちです。しかし、人口減少など賃貸需要の低下要因が増えるなか、戦略的な賃貸経営を行うためには、攻めの姿勢が求められます。入居審査は、そのツールのひとつになりえると言えるでしょう。